疾患と治療に関するQ&A

虚血性心疾患

冠動脈造影とは、どのような検査ですか?

これは冠動脈の模式図です。

右と左の二つの入り口があります。左冠動脈ははいってすぐに左前下行枝と左回旋枝という大きな枝にわかれるので、これをそれぞれ独立に数えて、“冠動脈は3本ある”と言われます。左冠動脈の根本の部分は別個に左主幹部として扱われます。

冠動脈に限らず血管は普通のレントゲンでは描写できませんから、造影剤(胃の検査で使うバリウムのようなもの)が必要になります。これを冠動脈に直接注入するための細いチューブをカテーテルと言います。このカテーテルを足の付け根や肘の動脈(最近では手首の動脈を使う施設も増えています)から冠動脈まで進めて、注射器で冠動脈に造影剤を流します。すると、下の写真のような像(実際には動画です)が得られます。

右冠動脈に狭窄病変(上左図の矢印部)があることがわかります。左冠動脈には目立った異常はなさそうです。(上右図)左右の冠動脈に対していろいろな方向から撮影を繰り返し、全体像を作り上げるわけです。

検査中で痛みを感じるのは最初の局所麻酔の注射とカテーテルを通すための管(太めの点滴針のようなもの)を入れるときだけです。検査全体に要する時間は、検査の内容にもよりますが30分から1時間程度です。カテーテルを挿入する場所は、手首(橈骨動脈)、肘(肘動脈)および足のつけ根(大腿動脈)の血管が主に使用されます。手首からの場合、術後安静はほとんど必要ありません。肘の場合は1時間、足のつけ根からの場合は5-6時間、圧迫して止血します。

この間はベッド上安静になります。穿刺部位は、検査目的によって決定されますが、最近は細いカテーテルで良好な造影が可能となっており、現在でも多くの患者様が手首から検査が施行され、歩いてカテーテル室から病室に戻られます。一部の施設では外来で検査して当日帰宅するというやり方も行われているようですが、止血の確認も大切であるため、当院では一般的には翌日退院としております。

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