心臓病の治療について知る

心不全の病期ステージに合わせた治療で進行を防ぎましょう

心不全は進行性の疾患であるということをご存知でしょうか?

「心不全と診断されたらもう治らないの?」

「いつか手術しなきゃいけないのかな?」

そんな不安を抱く方もいらっしゃるかもしれません。

しかし心不全には病期ステージがあり、ステージに合わせた治療を行うことでステージ進行を抑えることができます。

考える女性の写真

ただ、心不全は治療をせずにそのままにしておくと、どんどん進行してしまう疾患です。

進行をできるだけ食い止めて症状を緩和させるためにも、病期ステージに合わせた治療を行うことが重要です。

今回は、心不全の病期ステージと、ステージごとの治療についてご説明いたします。

心不全の病期ステージは4つに分けられる

心不全の病期ステージはステージAからステージDまでの4つに分けられます。

治療方法はステージによって様々ですが、共通していることは一貫して薬物療法を行うということです。

一人ひとりの症状とステージに合わせた薬物療法を行うことで、進行を防ぐことができます。

ステージA

心不全リスクは高いが、心疾患は併発していない状態。
ACE阻害薬などの薬物療法を行う。

ステージB

心疾患は併発しているが、無症候の状態。
ACE阻害薬やβ遮断薬などの薬物療法を行う。
また、症例に応じては血行再建を行う。

ステージC

心不全症候が出現している状態。
集学的治療(外科療法や薬物療法など複数の治療法を組み合わせる治療)が望まれる段階。
薬物療法ではACE阻害薬、β遮断薬、アルドステロン受容体拮抗薬、利尿薬などを服用。
症例に応じて不整脈治療、心臓再同期療法、弁膜症カテーテル治療、外科的治療を行う。

ステージD

難治性心不全
集学的治療が望まれる段階。
薬物療法ではACE阻害薬、β遮断薬、アルドステロン受容体拮抗薬、利尿薬などを服用。
症例に応じて不整脈治療、心臓再同期療法、弁膜症カテーテル治療、外科的治療を行う。

このように、手術を行う段階としてはステージC以降からとなります。

ステージBまでは主に薬物治療を行い、進行を食い止めていきます。

薬物療法について、もう少し細かく見ていきましょう。

心不全の進行を食い止めるための薬物治療

心不全で使用する薬には、現在の症状を改善するためのお薬心不全の進行を防ぐためのお薬と、大きく2つに分けられます。

内服薬とおくすり手帳の写真

現在の症状を改善するためのお薬

一番利用されているお薬は利尿薬です。

心不全を発症すると体内に水分とナトリウムがたまりやすくなります。それによって血液のうっ滞が起こり、息切れやむくみなどの心不全の代表的な症状が現れます。

利尿薬を使って尿を出すことで、体内にたまった水分やナトリウムが排出され、心不全の症状を緩和させることができます。

心不全の進行を防ぐためのお薬

収縮機能の低下によって起こる収縮不全にはACE阻害薬が用いられます。ステージAから使用される薬であることから分かるように、これまでの臨床試験でも収縮不全の患者さんに効果があり、実際に寿命を伸ばすことができる結果が出ています。

他にも、交感神経の緊張を抑えるためのβ遮断薬などもステージに合わせて使用します。

ACE阻害薬やβ遮断薬などは、心不全の症状がないときでも、心臓の機能が低下していると判明した段階から使用した方がいいと言われています。

他の薬を服用している人は必ず担当医にご相談ください

心不全以外の治療で服用している薬が心不全に影響を与え、進行を進めてしまう可能性があります。

心不全と診断を受け、薬物治療を進められた際には、必ず他の病気の治療をしていること・服用している薬があることを伝えてください。

病期ステージに合わせた治療でQOLの高い生活を送りましょう

どの医療機関も精密な検査の上で、病期ステージとあなたの症状に合った治療を行なっています。

ただ、心不全は合併症を引き起こす可能性のある病気です。

「薬を飲んでいるから大丈夫」ではなく、担当医に相談しながら生活習慣や食生活の見直しをし、心不全の進行だけでなく他の病気も予防していくことが、健康的な生活に不可欠です。

にこやかな家族の写真

気になる症状がみられたら

気になる症状がある場合は、
早めの受診をおすすめします。

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