しかしながら、患者さんやご家族が抱える不安や疑問に、十分に応えられる医療環境は、まだ全国的に見て整っているとは言えません。
そうした現状を受け、私たちは「確かな医療とつながれる場」を提供したいという思いから、『マルファン症候群東京ネットワーク』を立ち上げました。
このネットワークには、マルファン診療の第一人者であり、長年にわたり数多くの患者さんを診療されてきた青見茂之先生をスーパーバイザーとしてお迎えしています。診療方針や治療のタイミングを施設間で協議・共有することで、治療の安全性が高まり、豊富な経験と知見が集積され、それぞれの医療機関の質の向上にもつながると考えています。
当院では、自己弁温存による大動脈基部置換術や、段階的に進める広範囲大動脈の手術など、体への負担を最小限に抑えつつ、高度な安全性と精度を両立する手術にこれまで数多く取り組んできました。
さらに、遠方にお住まいの患者さんにも安心して受診・手術を受けていただけるよう、「遠隔手術プラン」という診療モデルも整えています。普段は地元の医療機関で検査・診察を受けながら、必要な時期だけ当院で短期間入院・手術を行う、ハイブリッド型の治療体制です。
東京・六本木という利便性の高い立地に加え、外科コンシェルジュが患者さん一人ひとりに合わせて丁寧にサポートいたしますので、全国どこからでも安心してご相談いただけます。詳しくは「遠隔手術プラン」の専用ページもぜひご覧ください。
東京の中心から、全国の患者さんへ。
私たちは、重症の大動脈疾患にも対応できる専門体制を整え、一人ひとりの患者さんと真摯に向き合いながら、確かな医療をお届けしてまいります。

このたび、東京マルファンネットワークに参加させていただけることを、大変光栄に思っております。
湘南藤沢徳洲会病院 心臓血管外科として、このネットワークで果たすべき大きな役割のひとつは、特に神奈川県近郊、湘南エリアにお住まいのMarfan（マルファン）症候群の患者さまに、高水準の心臓・大動脈手術を提供することと考えております。
当院には、比較的多くのMarfan症候群の患者さまが来院されますが、その症状や治療の内容は、一人ひとり異なり、非常に複雑です。私たち医師も、常に最適な治療を提供できていると確信を持てる場面ばかりではなく、ときに悩んだり、迷ったりすることもあります。
そうした中で、Marfan症候群をはじめとする心臓大動脈疾患の豊富な治療経験をお持ちの青見先生や在國寺先生とチームを組み、治療方針について自由に意見交換ができる環境は、私たちにとって非常にありがたく、患者さまに、より自信をもって安全で効果的な治療を提供できるようになると感じています。
また、必要に応じて手術を共同で行うことも可能となり、直接知識や技術を共有し合うことで、我々のレベルのさらなる向上にもつながると確信しています。
さらに、当院では心臓・大動脈だけでなく、脊柱側彎症に対する外科治療や、眼科診療、遺伝子検査・遺伝カウンセリングなども行っており、全身の診療が可能な体制が整っていることも、大きな強みです。Marfan症候群は全身に影響を及ぼす疾患であり、ひとつの施設で総合的に診療を受けられることは、患者さまのご負担軽減にもつながります。
こうした強みを活かしながら、東京マルファンネットワークの一員として、患者さま一人ひとりに合わせた、より良い診療の提供を目指してまいります。
今後とも連携を深め、専門的で安全な治療を追求していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。