東京都港区の循環器内科、心臓血管外科、心臓血管研究所付属病院は虚血性心疾患、不整脈、弁膜症、心不全などの心臓病を専門とし、心臓カテーテルなどを行っています。

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不整脈・高血圧動脈疾患





「不整脈」って危ない病気なのですか?
「不整脈」とは、脈が不規則であることをすべて総称的に表した用語です。したがって、不整脈には多種多様のものが含まれており、正確な診断名とはいえないことをまず知っておいて下さい。不整脈の中には全く心配がなく放置して良いものから、命に悪影響を及ぼすものまでが含まれています。したがって「不整脈」がすべて危険な病気と考える必要はありません。不整脈の種類の診断は、不整脈が生じている時の心電図検査を行うことによって知ることができますが、いつも不整脈が生じているとは限りませんので通常の12誘導心電図ではわからないこともたびたびです。その意味で、健康診断などで「不整脈」と言われた方は、どのような種類の不整脈かを聞いておくこと、あるいは循環器専門医を受診してきちんと診断してもらうことが必要でしょう。


不整脈の原因にはどのようなものがありますか?
不整脈の原因にはさまざまなものがありますが、もっとも重要なものは不整脈の原因となる他の心臓の病気があるかないかということです。これらは、心臓超音波検査、運動負荷心電図検査、採血データなどから、全般的にみて診断する必要があります。不整脈の原因となる病気がある場合には、不整脈自身よりむしろその原因となる病気の治療やコントロールがなによりも重要です。他に病気のない場合には、睡眠不足、ストレス、アルコール、たばこなどが、不整脈を誘発しやすくすることが知られています。不整脈が気になる方はこれらに関連するライフスタイルの是正に努めるようにしましょう。

「不整脈」らしい症状はあるのですが、なかなかその時の心電図を記録できず、診断してもらえないのですがどうすればよいでしょう。
不整脈の診断は心電図を記録することにつきますが、頻度が少なくなかなか記録できないことも多く経験されます。24時間ホルター心電図検査はこのような目的で、24時間中心電図を記録し続けるものです。しかし、記録した当日には不整脈が生じないこともよくあります。その時には「携帯型心電図計」という機械を用います。この機械は患者さん自身が心電図を記録するもので、症状のある時に機械を胸に当てればその時の心電図が記録されます。当院でも患者さんにこの機械の貸し出しを行っています。また、最近では薬局で販売されていますのでご自身でご購入になり、使用されている方もおられます。

「期外収縮」とはなんですか?
期外収縮は、1,2拍だけ正常とは異なるタイミングで生じる一瞬の不整脈のことをいいます。この期外収縮は健康な人にもあり、多くは無害のものですが、中にはその他の心臓の病気が関連している場合もありますので、循環器内科を一度受診して基礎に他の心臓の病気があるかないかを診断してもらうことをお勧めします。心臓に期外収縮以外の異常がない場合には、無害なものなので症状のない限り治療は不要であると考えられています。普段の生活や食生活でも制限はありません。

上室頻拍と診断されましたが、治療法はどのようなものがありますか?
上室頻拍は期外収縮とは異なり、突然脈が150/分以上持続し、ある一定の時間ののち突然止まるという不整脈です。患者さんの多くは、この突然始まってぴたっと停止することを自覚されていることが多いようです。この不整脈は基本的には命には別状ありませんが、患者さんは苦しくまた動悸からくる恐怖感を訴えられます。
この病気は「期外収縮」とは異なり、通常治療の対象となる不整脈ですが、原因や治療法に様々なものがあり、患者さんの状態に応じて説明を行うことが一般的です。現在は90%以上の成功率でカテーテル治療によって根治することが可能です。また、それほど困っていないという患者さんでは、発作時に頓服薬を用いたり、あるいはカテーテル治療を受けたくないという患者さんでは抗不整脈薬で発作予防を行うこともありますが、この場合は継続的な治療となるため薬物の副作用に注意することが必要となります。

いつも脈が速いのですが、病気でしょうか?
単純に脈が早いということだけでは心配はいらないと思います。正常でも脈は50~100/分と幅の広い範囲で変動しています。特に運動不足の方は、緊張や軽度の運動ですぐに脈が早くなる傾向があります。上に述べた範囲内であれば特に心配ありません。一方、安静にしていても脈が100/分以上である場合には、何か病気が隠れている場合もありますので精密検査をお勧めします。

「洞性徐脈」と言われたのですが。
洞性徐脈は安静時の心電図で脈が50/分未満のものをいいます。これはあくまでも心電図所見であって、病気とは限りません。特に症状のない場合は正常と考えて差し支えありません。健常者でもよく見られる所見です。

「心房細動」と言われているのですが。
【心房細動とは?】
健常な心臓は1分間に70回程度のポンプ活動を規則的に行っていますが、これは正常のペースメーカーがこの頻度で規則的な電気信号を心臓に送っているためです。心房細動はこのような正常の電気活動が乱されて、心臓の一部(心房)で電気信号が絶えまなくぐるぐると回っている状態です。この不整脈は心臓のポンプ機能には直接大きな影響を与えませんので、すぐに命に関わるようなことはありません。心房細動は年齢を重ねるに連れ増加し、60歳以下では全人口の1%以下ですが、60歳台では数%、70歳台では5%、80歳以上では10%以上が心房細動であるといわれています。

【心房細動による症状】
心房細動では正常の脈と比べて、脈が不規則となり、またやや早くなります。このような不規則な心拍を「動悸」や「胸苦しい」といった形で自覚する人もいれば、全く自覚症状のない人もいます。はじめのうち、心房細動は発作として生じるので(発作性心房細動)症状が強い人が多いようです。しかし、発作の頻度が増えたり、心房細動が慢性的(慢性心房細動)になると症状がなくなってしまうこともあります。概して脈拍がはやいので運動能力は低下することが多いと考えられています。このような運動能力の低下は「階段を昇る時の息切れ」などの症状であらわれます。

【心房細動に伴うリスク】
では症状がなければ心房細動は放っておいてよい病気なのでしょうか?それは違います。心房細動を放置することで生じるリスクが2つあります。心房細動は、心不全と脳梗塞という大きな病気の原因となることがあるのです。最近では、著名人がこの心房細動による脳梗塞を患い、有名になりました。医師はこのような心房細動に伴うリスクと患者さんの症状を総合的に判断した上で、治療方針をたてています。症状がないからといって放置せず、医師によく御相談ください。

「不整脈」に効く薬とは?
不整脈を予防したり、停止させたりする薬を抗不整脈薬と呼んでいます。現在、抗不整脈薬にはたくさんのものがあり、約20種類もの薬が不整脈を治療する目的で使われています。抗不整脈薬と他の薬剤が少し異なる点は、1種類の薬物で治療するのが基本であるという点です。高血圧、糖尿病などでは薬の効果が不十分な場合、他の薬剤をさらにあわせて服用して頂くことが多いのですが、抗不整脈薬は効果がない場合は他の全く異なる薬剤に変更することが基本的です。

【くすりの飲み方、注意点】
医師はあなたの不整脈の種類やその他の検査結果に基づいて、最良と考える薬物をこのような多くの薬物の中から選んで処方しています。しかし実際に服薬する前にその効果を完全に予想することはできません。もし効果がない場合には、他の異なる薬物に変更しなければならないでしょう。その判断のためには、実際に薬を飲んでから不整脈はどのようになったか、体調はどのようになったか、検査はどのようになったかなどを把握する必要があります。従って特に薬が開始された時にはきちんと服用した上で、体調を自分自身でもチェックするようにしましょう。不整脈は、血圧や血液検査のように数字では表せませんし、診察をしてもその時不整脈がなければわかりません。従って特に不整脈の治療は、あなたと主治医の先生の協同作業が必要となります。
【くすりの副作用】
医師は安全と考える薬を選んでいますので、決められた通りに服用すれば心配することはありません。しかし、服用することを忘れたからといって1度に決められた以上の量を飲んだりすることは大変危険ですので絶対にしないでください。副作用はくすりの種類によって異なりますが、口渇感(口のかわき)、便秘、尿が出にくくなるといったことから、かえって不整脈が出やすくなったり、めまいといったことまで様々なものがあります。もしこのような症状が気になる時にはくすりを飲むことを中止して、すぐに主治医の先生に相談して下さい。

脈が遅いと言われていますが、どのような不整脈でしょうか
一般的には正常安静時一分間の心拍数は50~80/分の範囲だと思います。治療の対象となるのは脈が遅いために、脳への血流が悪くなり、めまい、疲労感を覚えやすい、失神を症状として有する洞機能不全症候群、また同様の症状に加えて突然死予防も考えなくてはいけない房室ブロックが治療の対象になります。
上述のように徐脈性不整脈には洞機能不全症候群と房室ブロックという病名があります。もし上記症状がありそのような病気と診断されたら治療が必要になります。症状がありながらもなかなか診断がつかない場合もあります。そのような時は24時間心電図(ホルター心電図)で症状に一致して、長い心停止、房室ブロックが見られれば診断がつきます。ただしなかなかタイミング的にそのような心電図が記録できる事は少ないとおもいます。そのようなときには入院をして電気生理学的検査(EPS)を受け診断することになります。

洞機能不全症候群って
人間の心臓の脈の速さを支配している場所を洞結節と言います。その場所の機能が悪くなったために起こる脈の異常を洞機能不全症候群と言います。めまいや失神を症状として伴う場合、それが証明されればペースメーカー治療が必要になることがあります。ただ、なかなか症状があってもそれが証明できない場合もあり、そのときには電気生理学的検査を受けていただくことになります。当院では二泊三日でその検査をしています。右足の付け根の股静脈から細いカテーテルを心臓に留置して検査を行います。

これは電気生理学的検査の1例です。
心臓を高頻度で刺激したあと心臓停止時間が異常に長くなるかどうかを検査します。症状と一致してこのような所見が得られたら後述するペースメーカー治療の適応になります。

房室ブロックと言われましたが?
心臓の電気刺激系の中で心房と心室を連絡するつなぎ目を房室結節と考えてください。
その場所の伝導が何らかの理由で悪くなったために房室ブロックと診断されます。治療必要な場合と様子観察でいい場合があります。専門的になりすぎますのでここでは特に説明しませんが、そう診断されたら一度専門医を受診してください。

この心電図は完全房室ブロックの患者さんの心電図です。赤い矢印が心房の興奮で黒い矢印が心室の興奮になります。心房と心室の興奮がばらばらなのがお分かりいただけるかと思います。
専門医の診断がつき、治療を勧められたらペースメーカーが必要となります。

ペースメーカー治療とは?
洞機能不全症候群や房室ブロックなどで脈が遅いために症状が出ている患者さんの治療法です。
当院では年間約100人の患者さんにペースメーカー治療しています。入院日数は7日間です。手術時間はだいたい60分です。以下に実際の植込み後のレントゲン写真とペースメーカーによって心臓を刺激されている心電図をお示しします。

矢印が心房をページングしているペースメーカーの刺激です。



植え込み型除細動器とは?
生命に危険を及ぼす恐れのある心室性不整脈に対する治療法のひとつです。
心室頻拍や心室細動と呼ばれる不整脈が出現したときに体内に植え込まれたペースメーカーがそれを感知して、電気ショックや抗頻拍ページングをおこない出現した不整脈を停止させるように働きます。以下に実例をお示しします。

心室細動が発生しそれを機械が認識して電気ショックをだし不整脈を停止させています。このような働きが出来るペースメーカーをICDとよんでいます。当院でも78人の患者さんにICD植込みしております。

心不全治療にペースメーカーが用いられていると聞きましたが
近年心不全治療としてのペースメーカーの有用性が言われ、両室ページング治療が昨年より保険で認可され、当院でも8名の患者さんに手術しております。両心室用のペースメーカーを植え込まれた患者さんの胸部レントゲンをお示しします。

心臓の右心室と左心室の興奮を同時に収縮させるようにすることで、心不全のために強度の生活規制をされている患者さんや入退院を繰り返されている方の生活の質の改善に役立っています。
冠静脈にページング用のリード線を挿入することに手間取ることがあり、手術時間は2~6時間かかります。今後機器の改良で手術時間の短縮、手術の簡便化が出来ると思います。


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