虚血性心筋症に対する左室形成術(SAVE手術)

心臓血管研究所付属病院スーパーバイザー
須磨久善
図1

 SAVE(Septal anterior ventricular exclusion)手術は,低収縮心室中隔を有する虚血性ならびに非虚血性心筋症に対する適切な左室形成法として筆者が考案し,命名した術式である1,2).収縮不良の心室中隔と左室前壁の一部を除外するために,収縮が保たれている領域とのあいだに縦長のパッチをあて,残存左室を長楕円体(ellipsoid)に縮小形成する.
体外循環下に大動脈非遮断(on−pump beating)または遮断心停止下に施行する.左室切開は前下行枝に沿って,心尖部から第1対角枝に向かう.前乳頭筋を損傷しないように注意する(図1a).中隔の後方に沿って心尖部から大動脈弁近傍までフェルト付き2−0糸でマットレスに4〜5針かける.前壁は心外膜側から同様にマットレスに縫合糸を7〜8本かける.これらを長楕円形のパッチに縫合する.パッチは大きめに切り,糸はその中央に縦長にかけてゆく(図1b).パッチ外側の余った部分は左室壁閉鎖縫合のさいに糸を通すと補強に役立つ.左室壁縫合は大きな針付き1-0糸(SumaX−O:松田医科工業社,東京都)を用いてマットレス縫合(このときにパッチの外側余白に糸を通す)を行い,さらに同じ糸で連続縫合して完了する(図1c,d).結紮後この縫合糸を切らずに数本残しておくと,人工心肺離脱後の出血チェックのさいに牽引用に便利である.

文  献
1)須磨久善,磯村 正,堀井泰浩ほか:重症心不全を伴う非虚血性心筋症に対する左室形成術70例の経験.J Cardio137:1−10,2001
2)Suma H:Interna11eft ventricular reconstruction.Operative Teclmique Thorac Cardiovasc Surg7:103−106,2002


胸部外科 Vol.59 No.6 2006 より