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食生活の欧米化に伴い、虚血性心疾患といわれる狭心症や心筋梗塞が増えている,心臓病ががんを抜いて日本人の死因の第1位になるのは、時間の問題といわれる。40代の若年層の急性心筋梗塞も目立つ。突然死につながる病気だけに、いざという時に備えての名医チェックは重要だ。 |
心臓病の治療はチーム医療といわれる。狭心症や心筋梗塞の治療もしかりだ。軽い狭心症の段階なら薬物療法ですむが、突然の心筋梗塞発作やつまった冠状動脈を開く治療については、救命治療や最新技術を駆使できるチームのいる病院にかかるかどうかで、生死や病気の予後が違ってくるからだ。
榊原病院の住吉徹哉副院長(50歳)は「治療法は進歩しており、つまった血管を開く手段はたくさんできています。心筋梗塞で入院された場合、20年前は10人に3人の方が亡くなられていたのが、現在では専門病院の死亡率は10%くらい。私どもでは8%ぐらいです」という。
都立広尾病院循環器内科では心筋梗塞は年間130例、狭心症などのカテーテル治療は年間700例行っている。本宮武司部長(56歳)は「心筋梗塞や狭心症の治療には、血栓溶解療法やPTCAがありますが、そのほかにステント療法や、先端にダイヤモシドの粉をつけたロータブレータを冠動脈の中に入れて動脈硬化を削ってしまう治療も行われています」という。
大阪市立総合医療センター循環器内科の土師一夫部長(56歳)は東京女子医大、国立循環器病センターを経て現職にある。
「虚血性心疾患の治療では薬物療法も進歩していますし、非薬物治療ではステント留置が形成術全体の半分以上を占めるようになりました」(土師部長)
高齢者で脳梗塞や腎機能障害などを持った症例に対しては、外科手術も、開胸手術をせずに、肋間区を小さく開けて人工心肺を使わずに行い、内科の形成術と組み合わせた侵襲度の低い治療が行われている。
「私どものところは循環器内科と心臓血管外科が同じ病棟ですから、外科、内科のコンビネーション治療がうまくいっています」(土師部長)
順天堂大学医学部胸部外科の細田泰之教授(62歳)は米国クリーブランドクリニックとミシガン州カラマズーのポージェスメデイカルセンターに計16年間在籍し、AICバイパス手術を2○○○例、さらに帰国後の日本でも2000例近く行っている。従来、バイパス手術は静脈を使って行っていたが、いまでは内胸動脈が使われている。
「最近はそれに加えて前腕のとう骨動脈や胃大網動脈も使っています。静脈では術後8、9年から再狭窄が起こりやすくなるが、動脈はずっと持ちがいいからです。人工心肺を使わず、心臓を拍動させたままで手術する方法も行っています」(細田教授)
東京女子医大付属心臓血管研究所循環器外科の遠藤真弘教授(56歳)も「70年以来、積極的に内胸動脈を使うバイパスを行っています」という。
湘南鎌倉総合病院の須磨久善院長(48歳〉と磯村正心臓血管外科部長(47歳)も心臓病の先端治療に積極的だ。心臓手術は年間320例。うちバイパス手術が210〜220例だ。
「95年から人工心肺を使わない低侵襲手術を行っており、そのトータルは78例です」(磯村部長)
従来、心臓移植しか治る道がないとみられてきた虚血性心筋症に対しては、左室縮小形成術を行い、全国から患者が集まっている。国立循環器病センター病院心臓内科の野々木宏医長や岩手医大第2内科の平盛勝彦教授なども、虚血性心疾患の治療で評価が高い。
(平成10年9月9日 「日刊ゲンダイ」より)
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